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骨の健康―女性の更年期の過ごし方



アメリカの高齢者が直面する問題は「もろさ」。それに関し最も懸念されるものには、骨粗しょう症があります。この病気は、カルシウムが外に流れ出て骨がどんどん弱くなっていく状態です。2500万人のアメリカ人がこの病気に罹っているといわれ、主に閉経期後の女性に多く見られます。座り姿勢の多い生活スタイルや貧しい食生活、遺伝から来るもの、そしてエストロゲン(骨の維持のために重要なホルモン)の循環が悪くなることによって、2千万人の女性の骨が折れやすくなっているのです。

Bone Loss(骨の目減り)
平均的女性は、更年期を迎えるまでに少なくとも腰骨の30%を失い骨折を起こしやすくなりますが、その結果次第では命にも関わることなのです。骨粗しょう症が原因と見られる腰骨の骨折後、7人に1人以上の女性が4ヶ月以内に死亡しています。Listening to Your Hormonesの著者、Gillian Ford氏によると、さらに7人に1人が長期的な医療保護を受けるようになるということです。高齢の女性に多い、悪くすれば身体障害者にもなりかねない骨の目減は、60歳以上の3大死因に数えられています。

骨粗しょう症が招く恐ろしい被害は主に高齢者に降りかかってくるのですが、この病気の芽は実はもっと早いうちから育ち始めているのです。

骨は、建物の構造資材のように何の動きもなくそのままだということはありません。実際、生きている骨の細胞は常に酸素やカルシウム、その他の栄養素、さらには老廃物を、体内を循環する血液を介して交換、排出しています。こうした細胞が持続的に骨格を作り直しているのです。Ford氏によると、osteoblast(骨芽細胞)と呼ばれる細胞はosteoclast(破骨細胞)が老廃物を処理している間に、新しい骨を作るとういことです。

閉経期後、エストロゲンをあまり分泌しなくなると、osteoclast(破骨細胞)の数が増える一方、osteoblast(骨芽細胞)が減ってしまいます。そうした結果が骨の不健康な目減りということです。

Risk Assessment(危険度を評価)
今日出来上がった骨は、いうなれば銀行貯金のようなもの。多く溜め込むほど、退職後にたくさん使えるというわけです。骨の質量は30代初期がピークで、その後通常減少していきます。

Nancy Lonsdorf、Veronica Butler、Melanie Brown博士らが共著「A Women's Best Medicine」の中で指摘するところによると、骨粗しょう症に罹る危険性は若いうち作り上げた骨次第であるため、骨粗しょう症を小児科の病気と考える専門家もいるということです。博士らはまた、女性が年を取って骨粗しょう症に罹る危険を回避するためには、少女時時代に(1)カルシウム補助剤を飲む (2)ブロッコリー、豆腐、麦の胚のようなカルシウムが豊富な食品を食べる (3)定期的に運動をする (4)動物性プロテイン(肉など)が多い食品を避け、規則的な生理周期を保つ――などを薦めています。
Meaty Problem(肉類の多い食事の問題点)
皿の上のステーキは骨をどのようにして削り取っていくのでしょうか。Ford氏によると「プロテインが食事の15%以上を占めるようになると、腎臓はその排出に普通の7倍の水分が必要となる。この結果、カルシウムなど骨のミネラルが外へ流されてしまう」ことを指摘しています。

Minerals for Healthy Bone(健康な骨のためにミネラルを)
カルシウムやマグネシウム、ホウ素、ビタミンC、D、そして微量ミネラルは骨を作り上げる生理過程でそれぞれが役割を担っています。Robert Atkins博士は、その著書「Dr. Atkins's Vita-Nutrient Solution」の中で「骨の維持のためにはカルシウムよりマグネシウムのほうがより重要」である可能性を指摘。マグネシウムは、体のカルシウム供給のバランスを取っているということです。このミネラルがなくなると、食事から取るカルシウムは骨に吸収されないで排泄されてしまいます。
Use it or Lose it(使うそれとも失う?)
散歩、自転車乗り、ウエイトリフティング、ダンスといったいわゆる「weight-bearing(体重負荷)」の運動は、骨を圧迫し体の骨強化を促進させることで骨の密度を増大させます。一方、運動をしないことで強い骨でなくてもよいと体に思わせてしまいます(無重力状態の中で生活する宇宙飛行士はかなり骨が目減りします)。研究者は、週少なくとも2回の運動(散歩なら40分ほど)を薦めていますが、運動のし過ぎは骨を傷つけることにもなりかねません。例えば、週に40マイル、あるいはそれ以上走るマラソンランナーからは、体脂肪の大半が落ち、エストロゲン分泌も減ります。その結果、生理も止まってしまい、これが骨の目減りを導きます。

喫煙は、肝臓のエストロゲン代謝を通常より早めるのですが、骨粗しょう症の危険性をも高めます。また喫煙者には、骨の弱まりに拍車をかける閉経期の訪れが早まることも指摘されています。このことも専門家が禁煙を薦める理由の一つなのです。



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